IPO引受証券会社
IPO投資を行うには、当該IPO銘柄の引受を行う幹事証券会社に口座を保有している必要があります。
例えば、2015年4月に東証マザーズに新規上場したジグソー(3914)は、公募価格2,390円、初値8,040円で+236.4%、7月には13,340円の高値をつけています。
このIPO株として大成功したジグソー株のIPOに当選・購入するには、
・主幹事証券のSMBC日興証券
・幹事証券の大和証券、マネックス証券、SBI証券、東海東京証券、岡三証券、いちよし証券
の証券口座が必要です。
このジグソーの場合、業界最大手の野村證券は幹事証券に入っていないため、野村證券からではジグソーのブックビルディングには参加出来ませんでした。
そのため、IPO投資には幹事証券となる引受証券会社の口座開設が必要です。
実際にブックビルディングに申し込むのは、口座開設済みでかつ引受を行う幹事証券会社の中から当選確率の高い証券会社を選択します。
主幹事の多い証券会社
主幹事とは、新規上場する企業(発行体)が上場基準を満たしているか、財務状況や業績見通し、内部統制などについて審査し、上場する証券取引所に推薦を行う証券会社です。つまり、企業の新規上場を支援するメインの証券会社のことを主幹事証券と呼びます。
そして個人投資家にとって重要なのは、主幹事証券はIPOで募集される株式の内、8割〜9割近くを引受けるため、投資家に販売可能な株数(口数・枚数)が圧倒的に多いという点です。
主幹事の多い証券会社としては、
・野村證券
・大和証券
・SMBC日興証券
・みずほ証券
の4社があげられます。
次いで
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
・SBI証券
・東海東京証券
・岡三証券
です。
これは、実際に主幹事を務めたIPO案件数を確認するのが最も分かりやすいので、以下に2014年および2015年の主幹事ランキングを掲載します。
2014年のIPO主幹事ランキング
証券会社 | 2014年の 主幹事案件数 |
野村證券 | 27件 |
大和証券 | 23件 |
SMBC日興証券 | 9件 |
みずほ証券 | 8件 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 5件 |
SBI証券 | 5件 |
東海東京証券 | 3件 |
いちよし証券 | 2件 |
東洋証券 | 1件 |
エイチ・エス証券 | 1件 |
2015年のIPO主幹事ランキング #2015年10月9日時点
証券会社 | 2015年の 主幹事案件数 |
野村證券 | 24件 |
SMBC日興証券 | 21件 |
みずほ証券 | 13件 |
大和証券 | 12件 |
岡三証券 | 6件 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 5件 |
SBI証券 | 5件 |
東海東京証券 | 5件 |
いちよし証券 | 2件 |
SMBCフレンド証券 | 2件 |
IPO当選を狙う上では、野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券の4社は非常に重要であることが見て取れます。
幹事の多い証券会社
通常、新規株式公開での引受証券会社は、主幹事1社と幹事数社から構成される幹事団を組みます。
そのため、主幹事ではなくても、幹事(平幹事とも呼ばれます)を務める証券会社でも引受を行うため、平幹事証券会社からもIPOに申し込むことが可能です。
ただし、平幹事の割当は3〜5社程度で合わせて1割〜2割程度のため、平幹事証券会社が投資家に販売可能な株数(口数・枚数)はかなり少ない場合が多いのが現状です。
例えば、先述のジグソーの場合、ジグソーは枚数の少ないプレミアムIPOと言われていたこともあり、平幹事への割当は以下の通りでした。
証券会社 | 割当率 | 配分可能枚数 (口数・本数) |
SMBC日興証券(主幹事) | 86.0% | 2,150枚 |
大和証券 | 7.0% | 175枚 |
SBI証券 | 2.0% | 50枚 |
マネックス証券 | 2.0% | 50枚 |
東京東海証券 | 1.0% | 25枚 |
岡三証券 | 1.0% | 25枚 |
いちよし証券 | 1.0% | 25枚 |
多くのIPO情報サイトでIPOにオススメの証券会社として紹介されているマネックス証券は、2006年を最後に主幹事は一度も務めておらず、このように割当の少ない平幹事です。そして、ジグソーの場合、稼働口座数が95万口座を超えるマネックス証券が販売できる枚数はたったの50枚(本・口)です。
#この構図が「IPO情報サイトの裏側 – オススメ証券会社に偏り有り」でご紹介した、アフィリエイト広告を出稿している証券会社ばかりがオススメ証券会社として紹介される一端です。
#ジグソーは枚数が非常に少なく、そもそも主幹事のSMBC日興証券でも当選しずらい銘柄であり、配分可能枚数が25枚というのは最小クラスです
主幹事以外の幹事を多く務める証券会社としては、
・野村證券
・大和証券
・SMBC日興証券
・みずほ証券
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券
・SBI証券
・マネックス証券
・岡三証券
・東海東京証券
・いちよし証券
があげられます。
#三菱UFJモルガン・スタンレーが幹事を務める場合、カブドットコム証券でも販売される場合があります
#岡三証券が幹事を務める場合、岡三オンライン証券でも販売される場合があります
2014年のIPO幹事ランキング
#幹事案件数には主幹事も含みます
証券会社 | 2014年の 幹事案件数 |
SBI証券 | 65件 |
みずほ証券 | 63件 |
SMBC日興証券 | 60件 |
野村証券 | 54件 |
大和証券 | 51件 |
マネックス証券 | 39件 |
いちよし証券 | 37件 |
岡三証券 | 30件 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 28件 |
東海東京証券 | 23件 |
カブドットコム証券 | 12件 |
ご覧通り、一部のIPO情報サイトで引受証券会社として紹介されている松井証券、GMOクリック証券、楽天証券、安藤証券、ファイブスター証券、立花証券などは、実際にIPOの機会は限られているのが分かります。平幹事でも、アフィリエイト広告に対応している証券会社をオススメしているという構図です。
直近の主幹事・副幹事・平幹事の実績を確認することで、アフィリエイト広告とは無関係に本当にIPOに当選しやすい証券会社の候補が見えてきたのではないでしょうか?
なお、アフィリエイト広告と一切関係なく、管理人がフラットにIPO投資でオススメする証券会社はこちらでご紹介しています。
また、いくら主幹事や幹事実績が多くても抽選倍率の問題がありますので、証券会社別の口座数一覧もご参考に。
関連記事:
・実践者が意外に少ないIPO当選の基本「複数証券会社で申込む」
・IPO情報サイトの裏側 – オススメ証券会社に偏り有り
・IPOで本当にオススメの証券会社
・証券会社別の口座数一覧(穴場証券はどこ?)
・2つのIPO配分方法 – 裁量配分と抽選配分
・当選したIPOを辞退・キャンセルした際のペナルティ有無
・NISAでIPOが買えるか要注意 – 証券会社で違いあり
・IPO投資で資金が必要なタイミングに注意
・IPO抽選に落選した場合の投資 – セカンダリー投資
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