IPO抽選に落選した場合の投資 – セカンダリー投資

 

IPO投資=抽選に当選して初値で売って利鞘を稼ぐ投資方法、と思い込んでいませんか?

もちろん、
・需要申告に参加し
・高倍率の中で当選を勝ち取り
・初値または初日に売り抜ける
という手法は、IPO投資の正攻法です。

ですが、残念ながら多くのIPO銘柄は高倍率でなかなか抽選に当選できません。

この投資手法では「抽選に落選したら終わり」になってしまいます。

そこで、IPO抽選に落選した場合のIPO投資方法として「セカンダリー投資」と言われる投資手法をご紹介します。

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セカンダリー投資とは?

セカンダリー投資とは、IPO後(初値が付いた後)に投資する手法です。

ただし、セカンダリー投資と言っても、大きく分けて2つの投資手法があります。

1)初値買い
2)中長期保有(ベンチャー投資)

1)初値買い

IPO銘柄は、新規上場後の数日間は特に大きく値動きする事が頻繁にあります。(=ボラティリティーが高い)

その特徴を生かし、IPO銘柄を初値で購入し、当日中または2、3日程度で売却することでキャピタルゲインを得る投資手法です。

#厳密には、初値に拘る必要はありませんが便宜上、全て「初値買い」にまとめています

IPOは初値が株価の高値でその後は下落を続けるという、昔の悪しきイメージを持っていないでしょうか?

実際には「新規上場日の終値」が「初値」を上回ることも多くあります。

例えば、2015年9月に新規上場を果たした銘柄、つまり世界同時株安により株価が乱高下していた真っ最中のIPO銘柄の
・公募価格
・初値
・上場日の終値
・初値/公募価格
・上場日終値/初値
を一覧にしたのが下図です。

上場日 銘柄名 公募価格 初値 上場日
終値
初値
/公募価格
上場日終値
/初値
9/17 ブランジスタ 450 647 551 144% 85%
9/15 アイビーシー 2,920 10,250 11,890 351% 116%
9/14 ピクスタ 1,870 2,521 2,749 135% 109%
9/8 JESCOHD 540 569 541 105% 95%
9/2 ベステラ 2,500 3,125 3,825 125% 122%
9/2 STUDIOUS 2,870 3,440 3,270 120% 95%

 

あの相場の中でも6銘柄全てで初値が公募価格を上回っているのは素晴らしいです。

さらに6銘柄中3銘柄は「上場日の終値」が「初値」を上回っています。

つまり、初値買いで終値で売るだけでも10%〜20%近い利益を出せたことになります。

#JESCOホールディングスの上場日9/8は、日経平均株価が前日の17,860円から17,427円へ急落した日でもあり相場が悪過ぎたという面はあります

なお、ベステラは年初来高値が11,870円をつけており、初値買いでも最大280%の利益を出すチャンスがありました。

#実は上記6銘柄全て年初来高値は初値を上回っています!

「IPOに当選して初値で売り抜ける」のに比べると、勝率は落ちてしまいますが、落選したとしても「初値買い」によるセカンダリー投資でも十分に勝機はあります。

2)中長期保有(ベンチャー投資)

改めて言うまでもありませんが、東証マザーズやJASDAQなどの新興市場へIPOする企業の多くはベンチャー企業であり、ベンチャー企業はIPOによって調達した資金を事業拡大に投資することでさらなる事業成長を狙います。

つまり、本来的な意味では、マザーズやJASDAQに新規上場した銘柄は、中長期保有によって企業価値が数倍〜10倍程度に跳ね上がるのを待つという「ベンチャー投資」です。

このベンチャー投資で成功した代表的な銘柄には、
・ユーグレナ(2012年上場)
・クックパッド(2009年上場)
・MonotaRO(2006年上場)
・エムスリー(2004年上場) #上場時はソネット・エムスリー
があります。

具体的には、以下の通りです。
#株式分割が何度も行われているため調整しています

銘柄名 上場年 初値 分割調整後の
初値
15/9/10時点の
株価
初値からの
騰落率
ユーグレナ 2012年 3,900 158 1,758 1,127%
クックパッド 2009年 19,100 265 2,513 947%
MonotaRO 2006年 600,000 188 2,727 1,454%
エムスリー 2004年 1,610,000 224 2,367 1,059%

 

ユーグレナを初値買いしていれば3年で約11倍、MonotaROを初値買いしていれば9年で約15倍です。

#初値買いでなくても、初値を下回った局面は多数ありますので、これ以上の運用実績も可能です
#ただし「底値」は誰にも分かりませんので、たらればを極力控える目的で初値買いの場合でシミュレーションしています

セカンダリー投資の魅力

セカンダリー投資は、当選したIPOを初値で売り抜けるほど簡単ではありませんし、売るタイミングを逃すと勝率でも分が悪い投資手法です。

ただし、セカンダリー投資には大きな魅力があります。

それは、
1)IPO銘柄全てで実践可能(当選・落選を問わない)
2)資金力次第で投資規模を拡大可能
な点です。

1)IPO銘柄全てで実践可能(当選・落選を問わない)

「当選したIPOを初値で売り抜ける」という基本的なIPO投資では、そもそも当選しないと投資にならないものの、抽選には外れる事の方が圧倒的に多く投資機会が非常に限られてしまいます。

対してセカンダリー投資は、全てのIPOが対象となり、投資機会が多く利益を出すチャンスも多いということです。

2)資金力次第で投資規模を拡大可能

最近のIPOは1枚あたりの投資金額が20万円前後と少額です。(昔は100万円近いIPOもありました)

当選しても1枚ないし2枚という中、その投資金額が20万円程度では、いくら利益率は良くても利益の絶対額はどうしても小さくなってしまいます。

ですが、セカンダリーでは(一部銘柄では流動性の制限を受けるものの)自身の資金力に合わせて投資規模を拡大できるため、レバレッジが効きます。

 

一度も当選しなければ利益はゼロです。運用パフォーマンスは0%です。

IPOに当選することだけに限らず、落選しても可能なIPO投資である「セカンダリー投資」も検討してみてはいかがでしょうか?

#ただし、当選したIPO株を初値で売るのに比べると、売りのタイミングが難しい分、勝率は低くなりますので、ご注意ください。

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 - IPO抽選で落選した場合

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