ダブルスタンダード(3925)の初値予想
12月15日、東証マザーズに新規上場予定のダブルスタンダード(3925)の初値予想です。
仮条件:2,030〜2,190円
公開価格:2,190円
初値予想:3,300円
公募より売出が多い「上場ゴール」疑惑のIPOです、、、
関連記事:
・ダブルスタンダード(3925)のIPO抽選結果
・ダブルスタンダード(3925)の初値は公募価格の2.3倍(+128.8%)
初値予想の根拠
ダブルスタンダードの初値予想を3,300円とした根拠は以下の5点です。
1)人気のビッグデータ関連銘柄
2)ビッグデータの本命はIoTへ
3)東証マザーズのネット系も吸収金額は中規模
4)公募よりも売出が多いEXIT
5)売上が特定企業に偏っている(取引先3社で85%)
1)人気のビッグデータ関連銘柄
ダブルスタンダードは、ビッグデータ関連銘柄です。
連想される企業としては、
・ブレンインパッド(東証1部)
・ホットリンク(東証マザーズ)
・ALBERT(東証マザーズ)
・データセクション(東証マザーズ)
でしょうか。
「ビッグデータ」自体は注目のテーマでもあり、IPOでも人気化すると予想します。
2)ビッグデータのトレンドはIoTへ
上述の通り、ビッグデータは注目テーマではありますが、ビッグデータの最近のトレンドは「WEBマーケティング」から「IoT」へ移行しています。
ダブルスタンダードは、目論見書の中で「当社グループでは、WEB上情報(非著作物)、画像、PDF情報を月間億単位で取扱います。」と記載されている通り、WEB系(ネット系)データの「データクレンジング」がメインのようです。
正直、トレンドからは既に外れているという印象です。
上述の連想される企業
・ブレインパッド
・ホットリンク
・ALBERT
・データセクション
は全てネット系のビッグデータを核にしたサービス(レコメンドエンジン、DMP、ソーシャルなど)を提供していますが、業績は好調とは言えません。
企業名 | 今期予想 売上 |
今期予想 営業利益 |
今期予想 経常利益 |
予想PER |
ブレインパッド | 30億 | 5,000万 | 4,000万 | 674.71倍 |
ホットリンク # | 24億900万 | -3,100万 | -1億2,400万 | N/A倍 |
ALBERT # | 9億4,000万 | -8,500万 | -9,500万 | N/A倍 |
データセクション | 4億〜9億 | 1,700万〜 4億100万円 |
3,000万〜 4億1,400万 |
|
#ホットリンクは、11/11に下方修正(黒字予想から赤字予想へ)
#Albertは、10/29に下方修正(黒字予想から赤字予想へ)
#PERは2015年11月27日の終値ベース
利益率の高いデータセクションですが、売上が4億円〜9億円、経常利益も3,000万〜4億1,400万円という幅のある予想が「第2四半期決算」でも未だに示されたままで非常に不安定です。
一方、今年IPOしたIoT銘柄の「ジグソー」の業績予想は以下の通りです。
企業名 | 今期予想 売上 |
今期予想 営業利益 |
今期予想 経常利益 |
予想PER |
ジグソー | 6億8,800万 | 1億5,300万 | 1億4,400万 | 456.69倍 |
ビッグデータとIoTは似た文脈で語られることも多くありますが、マーケティング支援サービスとしてのビッグデータ企業の業績は低調で、IoTが今のトレンドです。
3)東証マザーズのネット系も吸収金額は中規模
東証マザーズ上場のネット系(それもビッグデータ)ですが、吸収金額は約15億円と中規模です。
仮条件の上限である2,190円で計算した場合、オーバーアロットメント分も含め、吸収金額は15.4億円で時価総額は63.8億円となります。
東証マザーズ上場としては中規模と言えます。(若干大きい印象です)
かつ、主幹事がSBI証券でもあり、初値売りに動く投資家が多くなることも懸念の一つです。
4)公募よりも売出が多いEXIT
ダブルスタンダードのIPOは、公募よりも売出の方が多くなっています。
・公募株数:200,000株
・売出株数:475,000株
吸収金額は15.4億円と記載しましたが、ダブルスタンダードに入る資金は4.4億円です。
#厳密には証券会社へ支払う手数料等で4.4億円未満となります
既存株主からの売却である「売出」の内訳は
・中島氏(取締役ファウンダー):325,000株
・本田氏(社外取締役):150,000株
となります。
創業者と創業直後をサポートした社外取締役のEXITです。
(中島氏が71.72%、本田氏が12.16%を保有する大株主です)
なお、この2名は共に180日のロックアップがかかっており、株価解除条項は存在しません。
5)売上が特定企業に偏っている(取引先3社で85%)
売上が特定企業に「過度に」偏っています。
ダブルスタンダードの売上は、
・第2期は、リクルート、システムソフトの2社で売上の71.7%
・第3期は、リクルート、大和リビング、システムソフトの3社で売上の81.7%
・第4期の第2四半期は、リクルート、大和リビング、ネクストの3社で売上の84.8%
を占めており、特定企業に偏り過ぎています。
正直、これで上場が承認されたのには驚きです。
リクルートホールディングスにでもバイアウトした方が無難だったのでは、、、と思えてなりません。
初値予想のまとめ
・東証マザーズ
・ネット系(ビッグデータ)
・吸収金額15億円の中規模
・PLは右肩上がり
・最近のIPOは初値が絶好調
という点を考えると、初値が1.5倍は超えると考え、仮条件の上限2,190円の約1.5倍の3,300円を初値予想としました。
#最近のIPO実績を考慮すると4,000円を超える可能性もあり得るのではないかと考えています
#11月にSBI証券が主幹事で新規上場したあんしん保証の初値は+292.5%でした
IPOの抽選には絶対参加ですが、個人的には企業として魅力を感じませんし、セカンダリー投資で入る予定は一切ありません。(仮に初値が低かったり上場後に株価が下がってきても、取引先たった3社で売上の84.8%を占める状態では今後の業績が不安なため怖くて入れません)
#セカンダリー投資については「IPO抽選に落選した場合の投資 – セカンダリー投資」をご覧ください。
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