IPOの需要申告と抽選申込・抽選参加の違い

 

多くのIPO情報サイトなどでも曖昧にされていますが、野村證券などの一部証券会社では「需要申告(ブックビルディング)」は行っておらず「抽選申込」を行っています。

需要申告と抽選申込では、
・申告数量
・申告価格
の点で大きく異なるので注意が必要です。

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ブックビルディング方式とは?

ブックビルディング方式とは、公開価格の決定方法のことで、IPO(新規株式公開)に際して、引受証券会社が仮の発行条件を提示して投資家の需要を調べた上で公開価格を決定する方法です。

ブックビルディングは”Book Building”で、ブック(Book)は予約、ビルディング(Building)は積み上げを意味し「需要積み上げ方式」です。

この「需要」を調べるために投資家から需要を申告してもらうことが需要申告と呼ばれています。

需要申告を実施しない抽選申込・抽選参加

一部の証券会社ではブックビルディング方式による需要申告を行っていません。

厳密には、機関投資家からのみ需要申告を受け付け、その需要を基に公開価格を決定し、個人投資家は抽選に当選するとその公開価格でIPO株を購入する権利を得る、という形です。(#抽選配分の場合で記載しています)

■野村證券の例

代表的な例は野村證券です。野村證券では「野村では価格決定の為のブックビルディングは原則として、機関投資家のお客様の需要申告によりおこなわれます。」と明記されています。

出典:野村證券「国内上場新規公開株式取扱銘柄のご案内」(外部リンク)

■大和証券の例

野村證券と並んで主幹事の多い大和証券では需要申告ではなく「新規公開株式抽選参加サービス」という形になります。

仕組みとしては野村證券と同様で、抽選ではない配分についてですが「機関投資家のお客様への配分につきましては原則として、需要調査を行い、需要状況を的確に把握し、お客様の需要申告の内容、属性、投資方針などを勘案した上で適切な配分に努めます。なお、機関投資家のお客様の需要状況については原則として、価格決定に際して利用いたします。」と明記されています。

出典:大和証券「株式等の配分に係る基本方針」(PDF)

「需要申告」と「抽選申込・抽選参加」の違い

冒頭でも記載しましたが、需要申告と抽選申込では、
・申告数量
・申告価格
の点で大きく異なります。

■需要申告の場合(SMBC日興証券)

個人投資家からの需要申告を受け付けている証券会社の代表例はSMBC日興証券です。

下図はSMBC日興証券の需要申告画面です。

SMBC日興証券 IPO需要申告

ご覧の通り、
・申込数量
・申込価格
を自分自身で選択します。

■抽選申込の場合(野村證券)

一方、下図は野村證券の抽選申込画面です。#SMBC日興証券の例と同じく日本郵政(6178)

野村證券 IPO抽選申込

少し分かりづらいかもしれませんが、SMBC日興証券とは違い、抽選申込数量は自動的に決められ100株となり(最小単元株数)、価格については選択の余地はありません。

#なお、野村證券では、IPOの抽選配分は
・原則として、目論見書に記載の最低申込株数
・最低申込株数の取得代金見込額が10万円未満となる場合は、取得代金見込額が10万円以上となる最小の申込株数を申込数量・購入数量
となります。
そのため、単元株が100株の場合、1株1,000円未満の場合は200株の申込になります。

需要申告の場合には申込価格に要注意

需要申告の場合「申込価格」を仮条件の中から自分で選択することになります。

この際、申告した価格が低かった場合、抽選対象外となる場合があります。

つまり、高い価格で申告している投資家の需要で抽選配分予定の株数が埋まってしまい、申込価格が低い投資家は抽選の対象外になる、ということです。

#最近のIPOでは、そもそも抽選に当選することのハードルが高く、需要申告で最も高い価格を選択しないと十中八九、対象外となります。

 

需要申告なのか抽選申込や抽選参加なのかで、このような違いがありますので、注意が必要です。

関連記事:
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 - IPO投資

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