上場ゴールとは?

 

「上場ゴール」という言葉があります。

本来、IPO(新規株式公開)は、資金調達が目的であり市場で調達した資金を元にさらなる事業成長を目指すための「手段」です。しかしながら、手段のはずのIPOが「ゴール」になっているケースが「上場ゴール」と呼ばれています。

特に以下のような会社のIPO(新規株式公開)のことが皮肉を込めて「上場ゴール」と呼ばれています。

1)上場後に業績の下方修正を行う
2)初値がピークでその後は株価が急落し低迷

#これに加えて創業者や株主が売出や上場後の持株売却で利益を得ている場合に「上場ゴール」と表現される場合もあります。

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1)上場後に業績の下方修正を行う

上場後に下方修正を行った上場ゴールの代表例が「gumi」です。「gumiショック」とまで言われました。

gumiの場合、
・2014年12月18日:東証1部へ新規上場
・2015年3月5日:下方修正
というスケジュールでした。(上場後たった3ヶ月後の下方修正です

この下方修正の幅が非常に大きく、以下のような下方修正でした。

売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
当期純利益
(百万円)
上場時の業績予想 30,972 1,329 1,277 808
下方修正の予想 26,500  △400 △600 0
増減 △4,472 △1,729 △1,877  △808

 

・営業利益:13.3億円の黒字予想 → 4億円の赤字
・経常利益:12.8億円の黒字予想 → 6億円の赤字
10億円以上の黒字予想が一転して赤字決算です。

営業利益は17.3億円の下方修正、経常利益は18.8億円の下方修正です。

下方修正によって株価も真っ直ぐ下落しました。(#公開価格は3,300円でした)

gumiの株価チャート(下方修正の影響)

流石に上場3ヶ月後に10億を超える黒字予想から一転して赤字予想へ転落するのは「異常」だと言われており、IPO時点で業績悪化は分かっていたはずで、それを隠してIPO時の企業価値を釣り上げて既存株主が売り抜けた、と言われています。

なお、gumiの場合、IPO時に役員陣が以下の通り売出を行っています。
・代表取締役社長の國光氏:持ち株の3.9%(3億9,600万円)
・取締役の川本氏:持ち株の80.0%(6,600万円)
・取締役の三川氏:持ち株の20.8%(825万円)

#売出の割合には、ストックオプションによる潜在株式数を母数に入れていません

実際には、役員陣の売出以上に株主に名を連ねていたVC(ベンチャーキャピタル)が大量に売出ており、完全なVCのEXITでした。
#VCがIPOのタイミングでEXITするのは当然ではあります

2)初値がピークでその後は株価が急落し低迷

2015年の年初に東証マザーズに新規上場を果たしたALBERT(アルベルト)の株価が分かりやすいチャートです。

公募価格は2,800円で上場直後は8,000円を超える場面もありましたが、その後は右肩下がりに下落し続け、2015年10月29日には下方修正も発表しました。

アルベルトの株価チャート(上場後、右肩下がり)

下方修正を発表する前に既に公開価格も下回っているため、上場ゴールと言われても仕方ない状況です。

また、2015年11月19日に東証マザーズに新規上場した「あんしん保証」は上場後1ヶ月経過していませんが、既に株価は右肩下がりです。

あんしん保証の株価チャートあんしん保証は、上場初日はカイ気配で初値が付かず、翌営業日に公募価格1,460円の約4倍となる5,730円で初値を付けた後、6,050円の高値を付けると真っ直ぐに株価は下落し、その日はストップ安で終えてました。

+292.5%で初値を付けた日にストップ安です。

下図は、あんしん保証の初値が付いた日の株価チャートです。

あんしん保証のIPO後、初値が付いた日の株価チャート

セカンダリーで投資した場合、逃げ場がないまま急降下です。

関連記事:あんしん保証(7183)の初値は+292.5%

#ただし、現在でも公開価格1,460円の2倍を超える株価を保っており、あんしん保証を上場ゴールと表現することには、管理人個人としては抵抗があります。

上場ゴールとは?

人によって「上場ゴール」と呼んでいる事象が微妙に違いますが、大枠では
・IPO直後に下方修正
・初値または上場直後の株価がピーク(特に公募価格を下回っている)
・創業者や既存株主が売り抜ける
などの条件が1つないし複数該当した場合に「上場ゴール」という表現が使われています。

ただし、公募価格も割っておらず、単に初値が高騰し過ぎただけで、その後に株価が急落しているケースも「上場ゴール」と呼ばれる場合など、要は投資家が損をしたら「上場ゴール」と言われている気配もあります。(正直、乱用されている印象です。)

本質的には、手段のはずだったIPOがゴールとなってしまい、IPO後の事業成長が果たされないケースのことだとは考えています。(上場直後の下方修正はまさに当てはまります)

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