2つのIPO配分方法 – 裁量配分と抽選配分

 

引受証券会社がIPO銘柄を投資家に分配する方法には「裁量配分」と「抽選配分」の2つの方法があります。

つまり、個人投資家がIPOをGETするには「裁量分配」と「抽選分配」の2つの方法が存在するということです。

この「裁量分配」と「抽選分配」の特徴と違いを理解してIPO投資に挑むことがIPO投資で成果を出す肝と言えます。

裁量配分とは?

裁量配分とは、証券会社の支店や担当者の判断で顧客にIPOを配分する方法です。

つまり、個人投資家視点では、担当の営業担当者とのコネクションでIPOを割り当ててもらう方法です。

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主幹事実績の多い野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券などでは、80%〜90%程度がこの裁量配分で配分され、残りの10%〜20%程度が後述の「抽選配分」で配分されるので、IPOの配分を得るには、裁量配分を攻略可能だと非常に有利と言えます。
#裁量配分の割合として示した80%〜90%の内には、機関投資家なども含みます

ただし、裁量配分でIPO株をGETするのは、一般的な個人投資家には不可能です。

先述の通り、証券会社の営業担当者とのコネクションで割り当ててもらう手法のため、裁量配分を受けるには証券会社の支店や営業マンにとって「優良顧客」であることが必要です。

ここで言う「優良顧客」とは、主に営業マンの成績に寄与するという意味です。

あくまでも一般論ですが条件としては
・資産規模が大きい(必須条件)
・頻繁に取引を行い手数料収益が高い
・仕組債などの販売手数料の高い商品を購入している
・営業マンの提案通りの投資を行う
などが該当します。

より具体的には「IPOで裁量配分を受ける方法」をご覧ください。

なお、結論としては、この裁量分配をIPO投資のメイン手法として考えるのは難しいと言えます。

資金力などの面でハードルも高い上、数千万円以上の資産運用を行っている場合、IPO投資による収益は相対的に大きくなく、その反面、裁量分配を得るためのコスト(高額な手数料など)の方が高くついてしまいます。

抽選分配とは?

抽選分配とは、需要申告(ブックビルディング)へ申し込みがあった顧客の中から抽選で当選者と決定し、IPOを配分する方法です。

裁量分配に比べると非常にシンプルな仕組みですが、証券会社によって抽選分配のルールが異なります。

大きく分けると
1)抽選の単位
2)抽選の優遇制度
の2点で違いがあります。

1)抽選の単位

証券会社がIPOの当選を決定する際の抽選で、
・応募口数単位で抽選を行うのか
・応募口数に関係なく一人一票として抽選を行うのか
で大きな違いがあります。

例えば、単元株が100株で、100株(=1口)応募したA氏と1,000株(=10口)応募したB氏がいたとします。かつ、全体では50人の投資家によって10,000株(=100口)の応募があったとします。

応募口数単位で抽選を行う証券会社(SBI証券が有名)では、
・A氏:100口の内1口
・B氏:100口の内10口
として抽選を行います。

つまり単純計算でB氏はA氏の10倍も当選確率が高いことになります。

対して、応募口数に関係なく一人一票として抽選を行う証券会社(SMBC日興証券、マネックス証券が有名)では、
・A氏:50人中の1人
・B氏:50人中の1人
として抽選を行います。

A氏とB氏で当選確率は変わりません。

一般的に「完全公平抽選(同率抽選)」と呼ばれる抽選方式です。

自身の資金力と相談し、より有利な抽選方法となる証券会社を選択することが重要です

2)抽選の優遇制度

一部の証券会社では、抽選を2段階に分けており、2段階目の抽選では資産残高などに応じた優良顧客のみが対象となる優遇制度が存在する場合があります。

■大和証券の場合

大和証券では、預り資産評価額に応じて様々な優遇が受けられる「プレミアムサービス」という制度があり、プレミアムサービス対象者は、IPO抽選でも優遇が受けられます。

具体的には「通常抽選」と「チャンス抽選」の2段階で抽選が行われます。

まず最初に「通常抽選」で個人投資家へ販売予定の15%分について全申込者を対象に抽選し、次に「チャンス抽選」で同5%分について優遇対象の申込者を対象に抽選が行われます。

つまり、プレミアムサービスという優遇対象顧客は、通常抽選とチャンス抽選の2回、当選チャンスがあることになります。

#厳密には「チャンス回数」という概念が用いられており、チャンス抽選のルールは複雑です

■SBI証券の場合

また、SBI証券では、IPO抽選に落選すると取得可能な「IPOチャンレンジポイント」というポイント制度があり、大和証券同様、最初に実施される通常抽選(70%分)の後、残の30%分をIPOチャンレンジポイントの多い順に当選させる仕組みとなっています。

#こちらも厳密には、IPOチャレンジポイントの使い方で細かいルールがあります

「自分が優遇対象者になれるか否か」も証券会社選びで重要なポイントです。

基本は抽選配分

多くの場合、裁量配分の方が実際に配分される株数が多いものの、上述の通り、裁量配分を狙える人は限られており、IPO投資の基本は抽選配分と言えます。

そして、各社の抽選方式を把握しておくことが重要となります。

IPO投資のセオリーは、予め複数の証券会社に口座を開設しておき、ブックビルディングに申込む際は、幹事証券の中から割当数や抽選方法などを勘案して、申込む証券会社を決定するという流れとなります。

関連記事:
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 - IPO当選のコツ

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