証券会社のIPO配分方法に関する規則(日本証券業協会の自主規制)

 

IPO(新規株式公開)の株式配分方法は、日本証券業協会(JSDA)という団体が定める自主規制に基づき、証券会社各社が規則を設けています。

多くの個人投資家にとって、IPOは「抽選に当たるか落ちるか」が最重要事項かと思いますが、その抽選にも統一された規則があることをご存知でしょうか?

今回はIPO攻略の鍵となる「抽選」の規則についてご紹介します。

スポンサード リンク

配分方法としての「抽選」

まず前提として、証券会社はIPOの引受を行った場合、
・引受けた株式の一部を機関投資家などにも配分している
・個人投資家向けの配分の中でも抽選で配分しているのは一部
という事実を抑えておきましょう。

■引受けた株式の一部を機関投資家などにも配分している

例えば、野村證券は2015年4月〜6月に主幹事または平幹事を務めたIPOは12件ありますが、この12件合算で国内の個人へ配分した割合は62.50%です。

銀行へ2.30%、その他金融機関へ0.30%、その他法人へ14.90%、非居住者へ20.0%です。(#金額ベースの割合)

■個人投資家向けの配分の中でも抽選で配分しているのは一部

IPO株の配分方法には「裁量配分」と「抽選配分」と言われる2つの方法があります。

この「裁量配分」とは、証券会社の営業マンが優良顧客・お得意様およびその候補に対してIPO株を恣意的に配分する方法です。要は、沢山お金を落としてくれる投資家に対する接待のようなものです。

対して「抽選配分」は乱数等を用いて機械的に当選を決める手法です。

上述の通り、引受けた株式の一部が個人向けに配分されますが、抽選によって配分されるのはさらにその一部、ということです。

#詳しくは「2つのIPO配分方法 – 裁量配分と抽選配分」をご覧ください

自主規制「新規公開に際して行う個人顧客への配分」

日本証券業協会(JSDA)の自主規制「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則(PDF)」というものがあります。

この中に「新規公開に際して行う個人顧客への配分」という項目があり、個人顧客向けのIPO配分についてルールが記載されています。

抽選配当は10%以上

最も重要なのは「原則として、当該協会員における個人顧客への配分予定数量の10%以上について抽選により 配分先を決定するものとする。」というルールです。

これが、証券会社が最低10%は抽選配分に回していると言われる理由です。

#厳密には「個人顧客への配分の最低10%」なので、先述の通り機関投資家等へ配分した残りの最低10%ですが勘違いされている方が多くいます

抽選以外の配分に関する規制(=抽選配分を保護するルール)

また抽選以外の配分方法についてもルールがあり、ひるがえって抽選配分が保護されています。

「集中配分及び不公正配分の禁止」という項目で、
・特定顧客へ過度な集中配分・不公正な配分を行ってはならない
・裁量配分は、抽選配分での一顧客当たりの平均数量と比較し過大としない
・裁量配分で同一顧客に対する反復継続してはならない
という旨が規定されています。

#厳密には、裁量配分ではなく「抽選以外の方法による個人顧客への配分」です

要は「特定顧客にばかり配分してはいけない」という規制です。

このルールをSBI証券は以下のように適応させています。

当社は、過度な集中配分及び不公正な配分とならないよう、個人のお客様以外(当社金融商品仲介業者の対面取引のお客様を含みます)の抽選によらない方法による配分につきましては、原則として、年間の新規公開株の配分上限を8 回とした上で、連続した配分を行わないこととしております。

また、お客様一人当たりの平均配分数量は、抽選による配分の一人当たりの平均配分数量の10 倍程度を目処といたします。

出典:SBI証券「募集等に係る株券等の顧客への配分に係る基本方針」

また、野村證券でも、機関投資家以外の法人および個人に対する、抽選方式によらない販売について以下の定めがあります。

(6)特定のお客様に過度に集中した販売を行うことのないよう、販売回数や販売数量に留意いたします。

(7)抽選方式によらない新規公開株式の販売は、個人のお客様一人当たりの平均販売株数が、抽選における 一人当たり販売株数に対し、多くとも 10 倍程度を超えることのないように行います。

出典:野村證券「募集等に係る株式等の販売に関する 基本方針」

通常、抽選配分では1人1枚(=1単位)しか当選出来ないため、裁量配分では1人当たり最大10枚までしか配分不可というルールです。
(10枚でも十分多いですが)

 

このように日本証券業協会による自主規制によって個人投資家への抽選配分が一定量確保されるようにルールかされています。

また、実はこのルールに関する変更も検討されている(されていた?)ようです。

意外にこのルールは知られていないのですが、IPO投資の鍵となる「抽選配分」に大きく関わるルールであり、もし変更されると各証券会社の対応次第で当選しやすい証券会社も変わる可能性があります。この点も注意が必要です。

関連記事:
2つのIPO配分方法 – 裁量配分と抽選配分
IPOで裁量配分を受ける方法
IPO情報サイトの裏側 – オススメ証券会社に偏り有り
IPO情報サイトの「抽選配分数」予想はハズレが多い

 - IPO当選のコツ

スポンサード リンク

  関連ページ

SMBC日興証券
SMBC日興証券で100株を超える需要申告は無駄

SMBC日興証券では、需要申告で申込株数を入力しますが、複数単元で申し込むのは、 …

セカンダリー投資
補欠当選から繰上当選しやすい証券会社はどこ?

IPOの抽選結果は証券会社によって名称等が異なりますが大きく分けて ・当選 ・補 …

裁量配分と抽選配分
2つのIPO配分方法 – 裁量配分と抽選配分

引受証券会社がIPO銘柄を投資家に分配する方法には「裁量配分」と「抽選配分」の2 …

オススメ
実践者が意外に少ないIPO当選の基本「複数証券会社で申込む」

IPOの抽選に当選するための基本原則は「とにかく抽選に申込む/需要申告する」こと …

IPO(新規公開株)投資
IPOで裁量配分を受ける方法

引受証券会社がIPO銘柄を投資家に分配する方法には「裁量配分」と「抽選配分」の2 …

▲ページトップへ